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2024 SPRING&SUMMER

"IN MOURNING IN THE MORNING"

 

新しいシーズンが始まります。

是非ご覧ください。

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日々の旅
日常は、羞じらいや緊張、可笑しさや軋みなど曖昧な気分を見つける小さな旅の繰り返しです。不確かで不均衡な流体。そんな、揺蕩う日々の気分を掬う服

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“異なる要素を取り込んで一つの服に”

オペラ歌手の散骨ために集まった友人知人たちが島へ向かう船上での様子を描いた”そして船は行く”

張りぼての空とビニールの海を進む偽物の船で繰り広げられる出来事や人々の感情。

出席者の装い、乗務員の制服、予想外の客。

映画に散りばめられた小さな異なる因子を集めたシーズン。

2024春夏のこと

“一つの服に、一つのスタイルに、一つのコレクションに、別の表情を持つものを居合わせる”

幕で覆われた建物の中は現実と空想が溶け合う世界

陽気だったり、滑稽だったり、高慢だったり、悲壮だったり

見る者の心持ちによって印象が変わる表情を使い分け

次から次へとあちらこちらで繰り広げられる様々な出来事

サーカスは多くの感情を抱え込みながら時に大胆に

時に控えめに人々を楽しませ満たす

 

過去と現在、現実と空想を混ぜ合わせ

一年を通して一つのテーマで括ったシーズン

2023秋冬のこと

一つの服に、一つのスタイルに、一つのコレクションに、別の表情を持つものを居合わせる。

幕で覆われた建物の中は現実と空想が溶け合う世界。 

陽気だったり、滑稽だったり、高慢だったり、悲壮だったり。 

見る者の心持ちによって印象が変わる表情を使い分け、

次から次へとあちらこちらで繰り広げられる様々な出来事。

 

サーカスは多くの感情を抱え込みながら時に大胆に、時に控えめに人々を楽しませ、満たす。

別々の何かを一つの空間に並べた混沌と調和の渦。

そんな舞台から、光と影、曖昧と明瞭、見えるものと見えないもの。という言葉をイメージしてつくっていったシーズン。 

2023春夏のこと。

何かの中に別の要素の何かを含んでいる。

幻想と現実  無垢と経験  しとやかさとおおらかさ  複雑さと明瞭さ  繊細なと大胆な

こんな対比をキーワードに何かと何かを組み合わせる服。別の要素を内包する服。というのが今季の取り組み。

制限され保護された狭い安心な世界を生きてきた者が、刺激的で広く責任を持つ必要のある世界との狭間に落ち、新しい美しさや人の持つ感情の幅を知って抱えきれずに溢れ溺れかかる。そんな物語を背景にして、多面的で自由。力強くて脆い。儚く純粋。そんな気分でつくったシーズンです。

 

2022秋冬のこと。

偶然に起こる異なった要素の組み合わせで混じり合ったのちにかたちを変えて新しい感覚が産み出される。

石を探し、砕いて、中から見つかった化石を磨く海岸での毎日。慎ましい生活を送る一人の孤独な考古学者の女性が、偶然の出会いよって密やかに、しかし激しく感情を変化させていく。

今季は、映画”ammonite”の精神より着想を得ました。

日常の小さな違和感。過去と現在のつながり。という言葉をイメージして、性別、技術や背景などの昔と今を探して並べて取り入れたり引き離したりしながら、今の気分で表現しました。

 

2022春夏のこと。

ロマンティックな妄想を重ねた日常。

今シーズンのテーマです。

イメージしたのは、ドストエフスキーの小説”白夜”。

夢見がちな青年が日の沈まないサンクトペテルブルクの夜をフラフラとあてもなく歩いていると、通りかかった橋の上で少女に出会い、瞬く間に恋に落ちてしまいます。 青年の空虚な日々は意味を持ち、一夜毎に希望で輝いていくことになります。

 

内気で繊細に甘く、ぼんやりとして憂鬱な四日間の短いこの物語は、高揚感や渇望、儚さや慈しみといった、目まぐるしく移り変わる人の心の有り様が、冷静で暖かな眼差しで生き生きと描かれています。

 

希望を含んだ空想は、それが特にロマンティックであるほどに、いつの時代も小さな喜劇と悲劇を繰り返す日々に彩りを加えます。

昼とも夜ともつかない曖昧な非日常を体験し続ける中で、起伏する感情から情緒的な空想を服に込めました。

M&Oplays プロデュース 白昼夢 観てきました。

萎れて饐えた、ジトッとして息苦しくなる空間に妙な艶かしさが合わさって、不安な気持ちになるのがいつもゾクゾクするこの方がつくられる舞台。 あぁこの後どうなっちゃうんだろう。どう転がっちゃうんだろう。という大好物の展開でした。 そんな冷ややかな目線に必ず慈しみや汲み取って寄り添おうとする気持ちが同居するので、終わったときにホッとしたような、他人事のような、怒りのような、様々な気持ちを持って劇場を後にします。 今回も狂気と笑いと愛が歪から顔を次々と覗かせてきて、とっても面白い時間でした。 本多劇場にて。

ルックの撮影をお願いしている、島田大介さんの写真展 10years 観に行ってきました。 二○一一年三月の地震と津波の直後に現地で収められた写真や、その同じ場所の十年後の写真。とてつもない力で様々なものやことを奪い去っていった出来事から、何かを感じて動かされた人が他にもいるんだなぁと改めて思いました。 とても十年では片付けられない力が働いていることを知っているから、心に留めて変化していこうと思いました。

生地そのものでは主に春夏でカディをたまに使っていただのですが、今季はインドで手刺繍の生地をつくりました。 一年前に見ていて、柄の部分は断ち切りなのでほつれてくるなぁ。日焼けやロットで色差も大きいだろうなぁ。縫い付けた糸も浮いているので引っかかりやすいなぁ。と心配が多くて躊躇っていたのでいたのですが、パッと気分がよくなる。ピリッと背筋が伸びる服を今つくりたいと思ったときに、この晴れやかな、でも素朴な温かみがある生地がよいなぁ。と結びつきました。

コットンリネンの表地と同じ生地を木槌で型を打ってくり抜く作業も手作業。太い糸で一柄づつとめつけていくのも手作業。 超ローテクです。 当然、少し柄が抜けていたり形が整っていなかったりするのですが、ほんの些細なこと。

この生地を使って、ウネウネさせたドレスとシャツジャケットをつくりました。 日常で着用できる素材だから日常の中で特別な時間になるように、日常のおめかしになるよう、かたちを考えたアイテムです。

ロベール・ドアノーの展覧会を観に行きました。音楽との繋がりをテーマに集められた今展示はよく目にする美しかったり可愛らしかったりするパリを背景にした人々の生活の様とはまた少し違った見え方で、職業フォトグラファーとしての意識や友情から生まれた作品など解説も相まって新鮮でした。 四十五万点ものフィルムを残したこと、冷静さとユーモアが常に満ちていること、キャバレーやカフェなど様々な溜まり場を好んだこと、ずっと人を見つめ続けたこと、なんかを感じました。 どれもとっても素敵なのですが、エディット・ピアフを写した一枚が印象的でした。  Bunkamura ザ・ミュージアムにて。

スプリングコートというのがずっと好きで、出来ればずっとつくり続けたいと思っています。  高校生の時に原宿でX-LARGEのベージュの細身でシンプルなステンカラーコートを買ってからこの着る時期の短いアウターが大好き。服の好みが変わっても着ていて、何だか似合わなくなっても大切に取っておいたのだけれど、いつだったか多分酔っぱらったなんかの拍子に友達にあげてしまったような気がする。曖昧な記憶のまま行方を眩ませてしまったけれど、きっと次の役割があれにはあったのだろう。  ベーシックなかたちをつくってみようか、結構盛り付けた感じを思いついたとか、コートを考えることからそのシーズンを始めることが殆どです。 ファッと、サッと羽織って出掛けたい。

今季二つ目のコートは頭巾を被った修道士のローブを意識したフードのタイプです。 経にリネン、緯に細いウールとコットンをループヤーンに撚った糸を打った生地を使用。これはポソポソした表面でタオルみたいな感触が柔らかい仕上がり。

この生地を使って、後ろから風を含んだ時のように切り替えとかフレアーとかで前身頃へ向かって流れをつくったオーバーワンピースと、グルッとギャザーで囲われたスカートをどうやったら重くならないかなと試行錯誤して、裾へすぼませた後ろ下がりのスカート、継続してつくっている前後反対になったようなベスト、の全部で四型つくりました。

舟越桂さんの作品は二○一五年の館林美術館での展覧会で初めて目にしました。

ほとんど予備知識を持たないで会場に入ると、圧倒的に艶かしいのと全く生々しい感触のなさが共存した彫像に引き込まれてしまって少しクラクラするくらい心を捉えられたので、とにかく驚きました。 ゆったりと観られる環境で大変に充実した内容をじっくりと堪能できたのを覚えています。  

今回、松濤美術館で展覧会があるとのことで出かけてみて、五年前に好きになった作品を久しぶりに目にするとその変わらない美しさを懐かしく思うのと同時に、自分の目線の変化を知ったのでした。肩の傾斜や首の角度などこちらから見た感覚と、作品からの目線を意識するなど、前回とは向いている意識が異なることがあってとても有意義で興味深い時間となりました。

パストラルシャツコートとソワーパンツのこと。 

生地は、尾州で織ったオックスをベージュに後染めしたものを使用しています。

生成りよりも濃い、ベージュは色を一からつくってもらいました。

尾州というのは愛知県西部や岐阜県南部の木曽川や長良川のあたり、という認識でいるのだけれど、もしかしたらもっと広かったり狭かったするのかも。

SUSURIを始めるまであまり産地に興味を持っていなかったのだけれど、織っているところを見に行かせてもらうようになって、土地によって特徴があることを知り、お話を伺うと糸や織り方、織機のことやその土地のことなど、ほほぅ、ということが沢山あって、じゃあ今度はここに行ってみよう。あそこでこんな生地が出来るか、と楽しくなっていきました。

で、尾州は専らウールが有名(そういえば、なんでだろう。今度聞いてみよう。)なのですが、今回はそんな地域のコットンリネンです。春夏は仕事をしない訳じゃなくリネンをよく織っているようです。

カリッとした固さのシャツ地と中肉生地の間くらいの感じなので、今回はアウターとボトムスにしています。

  

のんびりした牧歌的な感じ。ってとても惹かれる要素で多分永遠に好きな”感じ”。

素朴ではなく、牧歌的。そんな気分なのでパストラルシャツコートとしました。

基本はベーシックなシャツを長くしたかたちになっていて、縦にスッキリとしたライン。そこに、腰で少しポコッと膨らませてシルエットをつくっています。

 

ソワーパンツも起源は牧歌的な古い農民の絵画から。

まだ工場がない時代のワークウェア。それは素っ気ない雰囲気。

飾りっ気のない、性別とか年齢とかのない、こっそりしたアイテムです。

 

二○一六年からつくっているヘムレンシャツとヘムレンシャツワンピースは、

前から見たとき(スッキリとしてベーシックな)と、

後ろから見たとき(ふんわりとして柔らかい繊細で控え目な主張をする)の、

印象の違いを持たせたかったアイテム。

本に夢中になりすぎるあまり前屈みに足をひきづって歩くような偏屈で気難しい学者の姿に惹かれてかたちにしたのもの。

シャッキリとした若々しい姿ももちろん素敵なんだけれど、人の背中の曲がった様もなんとも愛おしく感じるので、

まぁそういう風でもいいじゃないか。というわけです。

  

ギャザーでふくらませた後ろ身頃は、横から見てもらうとより背中の丸い感が出るようなパターンになっているのであんまりご自身では確認しづらい位置なのですが鏡姿なんかで、フッ、としたときにお楽しみください。

その代わり前は”頑張って”シャキッとさせたので、ピンッととんがった衿がついてちゃんとしてる感じを装っています。

最初につくったのは二○一六年の秋冬でした。

ヘムレンシャツとヘムレンシャツワンピース。

  

生地はずっと同じ。 

都内で鉄釜を使って少しづつゆっくり時間をかけて染めていく方法で、オリジナルカラーの生地をつくってみませんか。

と、提案してくださったのはもう五、六年前。

  

モワッと蒸気で満たされた工場には、

十数人のおじさんたち(中には若い人もいるんだろうけれど)が、

汗をかきながら黙々と自分の作業をしていて、

大きな機会の音がそこら中で常にしているので、

あまりお喋りも聞こえず緊張感のある空気が流れていました。

  

様々な生地や服を、

様々な調合で微妙な色に染めていく、

おじさん。

クールですよね。

反ごとに色は異なるし、一反の中で色のムラは出来ます。

生地がピッとしていなくて裁断しにくいとも言われるし、時間もかかります。

もしこの服をお持ちだったら、

よく見ていただけると場所で微妙に色が違うと思います。

そういう安定しない、完璧でない生地だから、

今も使えているのかも。

  

今季は”記憶”がヒントなので、

パッと思い浮かぶ色をつくりました。

南の方へ旅行に行った時に見た、薄く、でも強いレモンの黄色。

初夏のポルトガルで見た街路樹の花の鮮やかなパープル。

美しく、少し不穏で静かな夜明け前の深い青。

こちらの三色から、新しい季節を始めたいと思います。

かたちの話は、また。

今季もムービーをつくりました。 

  

朝から移り変わる日の傾きや伸びていく影、

反射する光の色は、

部屋の中での一日を感じながらの撮影でした。

何となく、

朝夕のビーチの表情や

遊園地の乗り物を思い出してイメージしています。

動きのイメージを想像すると

風景が現れるのではないではないでしょうか。

  

まずは、写真と合わせて

のんびりお楽しみいただけたら嬉しいです。

そうそう、お持ちの方はぜひパソコンの大きな画面で、

どうぞ。

これまでの日常が揺らぎ立ちすくむ日々の中で

見つめたのは記憶でした。

 

”記憶”つまり過去に覚えた様々な感情や言葉や見聞きした事柄は

自身の中にある 小さな引き出しが沢山ついたタンスに一つ一つ仕舞われていて

必要な時には把手を引いて出してきて組み合わせたりしながら姿を表します。

”これは去年の夏に海沿いの街で見た鮮やかな花の色に似ている”

”古い修道院で出会った女性の笑顔のように静かで柔らかい印象”

“子供の頃に連れて行かれた何かの集会での仄暗い電灯の色”といった感じに。

 

価値観が大きく動いている今

服として何をこれから提案していけるのか模索し

これまでの記憶を消滅させることなく

たぐり寄せることにしました。

記憶をなくしては何も想像できないから。

 

何年も前に読んだ 小川洋子の著書 密やかな結晶 のイメージの記憶をヒントに

不確実で不均衡な流体の日々に起こる曖昧な気分を思い出して組み合わせて

のんびりとリラックスしてポジティブな気分の服をつくりました。

二〇二一年が始まりました。 本年もよろしくお願いいたします。

丸い窓から中を覗き込んだ洗濯機のような年を過ごしたのは、きっと皆さんそうだろうと思います。今のところ今年もそうなりそうだし、実のところ一昨年も既にそうでした。 バッタンバッタン天地なく揉まれているうちに付いているものがどんどん落ちて元の、最初の姿に磨かれて戻ったような気持ちで今を迎えているのですが、きっとそれは年の初めだからではない感じ。

大きく変わるかもしれないし、少し変わるかもしれない。変わるための準備になるかもしれない。 もう変わっているかもしれない。

服つくりの環境やお客さんとの関係も変化が大きくて、新しく取り組むこともあるし見直すことも沢山あります。

面白いと思ってもらえる、楽しいと感じてもらえる服をつくれたら。変わらない感覚を持ってサラサラ変わっていきたいと思います。よかったらお付き合いください。

二〇二〇年も暮れていきます。

秋冬の準備をしていた二月頃から今日まで、仕事や余暇など全ての生活が変わりそして今後もそれは続いていくようです。 そんな中でも服をご覧になっていただけたことに感謝しております。ありがとうございました。

来年はより厳しい状況が待っているのかもしれませんが、今回のことがあって整理できたことも多く、向かっていく方角も晴れたので、楽しんでつくっていきたいと思います。

年が明けると次シーズン 二〇二一春夏が立ち上がります。いつもより少し明るい気持ちで向かいました。 楽しみにお待ちいただけると幸いです。

もう直ぐ、と言っていた展示会は無事に終えられました。

行えて、終えられたことにこんなにホッとしたシーズンは久しぶりだし、こんなに疲れたのも久しぶりです。 皆さまへのご紹介は年明けになりますが、少し明るい気分で望みましたのでよかったらまた気にしてやってください。

今回も一足先にお取り扱いのお店で次のシーズンのアイテムを少しご覧いただける機会を設けていただけていて熊本、香川とまわって次は最終地の新潟です。 ご覧いただけた方にとっては楽しんでもらえていたら嬉しいですし、これからの方にとっては楽しみにしていただけていたら幸いです。

これを書いている今、次の展示会の準備が大詰めを迎えています。

あと数日後、ひょっとしたら数時間後は展示会です。

大きな出来事があって全てが動いている最中で、まだ新しくなりきっていない、固まりきっていない時が、今だと感じていて、このような時に一年くらい未来のことに向き合うには戸惑いや躊躇が大きくありましたが、同時にこれまでのことを振り返ったり確認したりしながら、これからどうしていきたいか。どういうことを提案したいのか。を改めて思う時間にもなりました。

今、思っていることや起こっていることを受け止めて、今、できることを一つ一つ準備しています。  

フォトグラファー始め、⾊々な⽅々の⼒をお借りしてつくりあげるルックは、服そのものとは違ったアプローチで新しく作品をつくるような感覚でとても楽しい行為です。

ルックの撮影は今回、動画を中心に撮ることになりました。今季のテーマ”REANIMATION”という言葉の意味から、動きの中に”曖昧な気分”を込められないだろうか。と思ったのです。悲しい、可笑しい、虚しい、など常に変化していく気分を切り取りたいのは、写真であっても動画であっても同じなのだから。

今季のテーマの元となった、Joan Jonasのパフォーマンスは、感じた心を素直に表して踊ったり、演じたり、描いたり、話したりしているように見えて、完璧に完成していない余白の自由が印象深かったため、今回はモデルを、ダンサーさんとと役者さんにお願いをして、そのときの気分やその場で思いつくアイデアをかたちにする緊張感、偶然の発見やハプニングの生々しさを求めて、全体に少し不穏な空気の劇場の舞台をイメ-ジした空間で、それぞれにほとんど⾃由に動き演じてもらいました。シリアスに、コミカルに、激しく、柔らかく、たくさんの表現がうまれた時間でした。

皆、さぞやりづらかったろうとは思いましたが、そのあたりも面白く見えていたらいいな。と思います。

2020 AUTUMN & WINTER 立ち上がりました。今季は、”REANIMATION”というタイトル。これまでを振り返り、続けていきたいこと。これからを見据えて、取り組んでいきたいこと。そうしてサラサラとまた歩み出そうと考えたシーズンです。

2019年ポルトガルを旅したときに訪れた美術館で、たまたま開催されていた Joan Jonasの展覧会。素朴で飾らず、チャーミングで美しい、少しぎこちなくて少し不気味な世界に触れたその瞬間、心を奪われました。

おとぎ話や小説、儀式など様々な要素を重ねて別のイメージに落とし込み、時には自身の身体をキャンバスにしてのドローイングや、パフォーマンスや立体造形を主にヴィデオに収め更に重ねる表現は、強く、純粋で、見るものに“感じる余白”を残してくれていて、とても惹かれるものでした。

その後に日本で上演された、ライブパフォーマンス(REANIMATION)と作品展示を目にし、実際に動き語ることの生々しさや、優しさ、厳しさや、表現の自由を更に強く感じました。

今シーズンは、そんな彼女の作品がもたらしたインパクトから、“日々の旅”をテーマに進んできたこれまで大切にしてきたことと、今の気分とこれから重ねていきたいことを見つめて混ぜ合わせ、内側を素直に自由に服に表しました。